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不動明王の由来

不動明王の教典議軌は、お大師さまによって始めて我が国に伝えられました。
いらい千年以上の長きに亘り、お不動さまは他の諸尊にぬきんでて熱烈な庶民の信仰を得て、受け継がれてきました。

お不動さまは、慈悲の心をそのまま表に出した優しい姿の菩薩さまとは違い、額には皺を寄せ左目は半ばつぶり、口は烈しく結んだ怒りにみちあふれた忿怒の相をし、威圧さえ感じさせるお姿ですが、決してそうではなく、本当は、奴僕(働き手)となって総ての願いを叶えますよとのお姿であり、頭の上の蓮華は、どんな人もこの蓮の上に乗りなさいとの大慈悲の誓願の現れなのです。

また、右手には、左手には、背面には火焔があります。
しかし、右手の剣は三毒を払い煩悩を断ち切る。左手の索は迷いの道に入るのを縛って救い、後背の火焔は人間の百八ツの煩悩を焼き尽くしてくれるのです。

このように見るからに恐ろしいお姿をしているお不動さまですが、大日如来の変化身として、私達を救済するために火生三昧に身を現じておられるのです。
お不動さまが我が国に知られるようになったのは大同元年(806)に、唐より帰朝されたお大師様によってであり、鎮護国家の主尊として崇められました。